大野をマスターしたい人が読むべきエントリー30選

「店長、待ち合わせは◯◯駅の東口に18時ですって」
「了解」

店長は業界誌を読みながら、生返事。
・・・大丈夫なのかなぁ？

待ち合わせのために店を出たのは、僕が先。
店長と僕とでは移動手段が違うからね。
駐輪場に駐めてある自転車にまたがって、ハンドルを握った。
腫れた手首に痛みがあるけど・・・
自転車で動くのが、一番金がかからないから・・・しょうがない。
待ち合わせの駅は店の最寄り駅じゃないから・・・道を調べながらになる。

途中まで来て、自転車を停められそうな広場があった。
スマホで地図を見ていると・・・・
「大野さん！」

え？？
顔をあげたら・・・櫻井さんだった。
「わざわざ会社の前まで来ていただいたんですか！？」

そういうわけではない・・んですけども。
だって、櫻井さんのお勤め先なんて・・・知りませんでしたし。

でも・・・櫻井さんのテンションの高さに言いそびれた。
なんというか・・・満面の笑みで喜びを顔中で表現してるみたいで。
誤解・・だけど、喜んでるなら水を差すこともないかな・・って。
「こっちです」

と、櫻井さんは僕の腰に手を当てて、反対の手を先に出して・・・
女性をエスコートするみたいに案内しはじめた。
なんか・・・触られたとこがもぞもぞする。
「あの・・・くすぐったいので・・・・
触るの・・やめていただいても・・・」

「あ、あぁ！す・・すいません！」

手を触れてたことに今、気づいた！みたいな顔で慌てて手を離した。
顔真っ赤で。

きっと、いつもエスコートするときの癖みたいな感じで出ちゃったんだろうな。
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