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僕は

中絶をした後の

自己嫌悪と

これから、やって来る

最悪な別れに

怯えていた

一人になることが

怖かったんだ

誰かに

すがりたかった

だから僕は

本当に久しぶりに

実家の母を訪ねた

カラダが勝手に

実家へ向かっていたんだ

やっぱり

どんなに嫌な親でも

イザとなると

恋しくなるんだな

そう思った

僕の最近の事情など

母は何も知らない

聞いてこないからね

母は、元々

自分の話しかしない

仕事場やご近所、親戚の悪口

いつも通う飲み屋の

女将さんさえも悪く言う

あとは自分の自慢

私は凄いんだ……

私のカラダは若くて……

私は、私は……

そんな母にも

その時、僕は

甘えたがっていた

母はアル中なのに

珍しく僕が来たから

お酒をセーブした

僕は夜、

泊っていくと言って

自分の布団に入った

でも、

自分の布団を抜け出し

母の部屋へ行き

今日は余り酔っていない

まだ眠っていない

母の布団に

潜り込んだんだ

抱きしめて欲しかったから……

毒母である彼女に

物心ついた時から

甘えたことのない

触れたことのない僕なのに

清水の舞台から飛び降りる

そんな思いで……

僕は母のカラダに

片手を回し

うつむいた

彼女は

迷惑そうだった

?

僕の手を

振り払い

上を向いて

眠ってしまったんだ

母のイビキが

聞こえてきた

せめて

「どうしたの？」

と、聞いて欲しかった

でも、やっぱり無理だった

そんなの分かってたんだ

なに期待してんだろう

バカな僕……

タカシに別れを

宣言された時と同じように

両腕の内側が

キュンと締め付けられた

でも、もう

涙は出なかったよ

その時

僕は思った

もう二度と人間を

信じたり

甘えたりすることは

止めようってね

人を人と思うのは間違えだ

もう人を大切にする必要なない

僕の中のマサトは

今まで以上に

激しさを増していった

そのホコ先は、

その後、

僕に近づいてきたある人に

向けられていったんだ……

……つづく

僕は、なぜ

母への怨みを、ホコ先を

自分へ向けずに

他人へ向けていったのかって

後悔することばかりだよ

その人が誰かは……

今後わかってくるよ

読んでくれて

ありがとう?

じゃぁね。。。