合コンは個人主義を超える!?
なんとか場を取り繕うとして。
「でも!あの、俺だって、料理は作れますけど、それは仕事だから、やっぱり家に帰って、奥さんのご飯とかあることに憧れますよ!」
「そうよねぇ。家に帰ってまで、料理なんて、大変だしねー。」
「ですよねー、富田先生!」
「やっぱり、料理が作れる女子ってポイント高くなっちゃいますよね!ね?」
女性陣に無理やり話をふってみる。
「でもさー、女性だって、最近は仕事してるじゃない。だからダンナさんが料理してくれてもいいんじゃないの?」
「だよねー。なんでもかんでも、女性に押し付けないで欲しいよねぇ。」
うぅ・・・話が全然。
まったくかみ合わない。
その時、お待たせしましたー!と、この店のウリの窯焼きピザが来た。
「あ!ピザ来ましたよ!美味しそう!!」
ふぅーーー。良かった。ピザで和んだ。
俺はその隙に、ちょっとトイレに立った。
やっぱり、カズの言うとおりだったかな。
合コンなんてさ、俺は似合わないんだな。
「あ!相葉さん、トイレでしたか。」
「あぁ、上野さん。すみません、すぐ戻ります。」
「いやいや、大丈夫ですよ。なんかね。今日の女の子たち、イマイチですよねー。」
「いえ、そんなことはないと思いますけど。皆さんキレイですし。」
なんか、隣に立った上野さんが、覗いてる。
気がする。
俺は急いで用を足して、手を洗いに洗面台のほうに行った。
「相葉さん、料理もできて、キレイな顔してるのに、やっぱり男なんですね。」
「え?・・・は?」
「俺は、コイビトにするのは、別に女じゃなくてもいいんですけど、相葉さんはどうですか?」
「え・・・と、俺・・・は。」
「まぁ、世間体もありますからねぇ。やっぱり結婚はきちんと女性としたいですけどねぇ。でも基本的にはどちらでも。」
鏡にうつっている上野さんの顔が、さっきまでの顔とは違う気がした。
「あの・・・そろそろ席に戻らないと。」
「あぁ!そうですね!」
俺がトイレのドアに手をかけると、突然、腰を抱かれた。
「こういうデニムとかなんでもなさそうな洋服を着ていても、相葉さん、スタイルいいの分かりますよ。
女子よりも・・・この後、適当に解散して、2人だけで、どうですか?」
耳元で囁かれて、俺は虫唾が走った。
「それでは、今日、合コンに来た意味がないので遠慮しておきます。」
俺は上野さんの手を振り払って席に戻った。
つづく