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肝硬変の食事療法と便秘:肝硬変に伴う便秘の予防と治し方
「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 B型、C型ウィルス性肝炎、肥満や糖尿病を原因とする脂肪肝、アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎などによって肝臓が長期間にわたり障害を受けますと肝硬変が引き起こされます。現在までのところ、肝硬変に有効な治療法はなく、唯一、肝臓移植による治療法しかございません。そこで、肝硬変に対する多くの治療においては、食事療法や医学栄養的な療法が用いられています。肝臓の働きの中に解毒機能があります。しかし、肝硬変では、便秘で腸内細菌の悪玉菌が産生する毒性の強いアンモニアを解毒することができず、高アンモニア血症となって、肝性脳症という肝硬変の合併症を併発してしまいます。肝硬変では、善玉菌を増やして腸内環境を整えることがとても大切となります。ここでは、肝硬変の食事療法と便秘:肝硬変に伴う便秘の予防と治し方についてお話します。
現在、肝硬変の患者数は全国で40~50万人前後と推定されていて、肝硬変による死亡者数は年間17,000人となっています。肝硬変の原因としては、肝炎ウィルスによるものが多く、肝硬変の約70%がC型肝炎ウィルスによる慢性肝炎が進展したもので、約20%がB型肝炎ウィルスによる慢性肝炎を原因としています。アルコール性脂肪肝を原因とした肝硬変は、全体の5~10%となっています。しかし、最近では、生活習慣病を原因とした肥満や糖尿病から生じる脂肪肝、飲酒をしない人にも起こる非アルコール性脂肪性肝炎の急増がみられているため、ウィルス性肝炎以外の慢性肝炎から肝硬変に進展するケースが増えると予測されています。特に、非アルコール性脂肪性肝炎の潜在的患者数は1,000万人いるといわれていて、今後は、肝硬変患者が急激に増えるであろうと考えられています。
肝硬変とは、肝炎ウィルスの感染によって肝細胞が壊死したり、脂肪肝となって脂肪滴が溜まった肝細胞が壊死したりして、損傷した肝細胞が脱落したところを修復するために、コラーゲン線維が肝臓全体に広がった状態のことをいいます。肝硬変では、肝臓全体がゴツゴツして岩のように硬くなり、肝臓の大きさも小さくなります。肝臓は損傷を受けても新たに再生する能力が高い組織なのですが、線維化してしまいますと、新しい肝細胞が増えることができず、再生能力が失われた肝硬変が生じます。そのため、肝臓が硬いために起こる腹水、食道静脈瘤、胃静脈瘤や、肝臓機能の低下による解毒作用の低下、肝性脳症などの合併症が引き起こされます。
腹水は、肝硬変によって血液中の主要なタンパク質であるアルブミンが低下し、小腸や大腸から肝臓に流れ込む肝門脈という血管(静脈血)の圧力が高くなるために起こります。下腹部が膨れ上がり、大量の腹水では呼吸困難となります。食道静脈瘤や胃静脈瘤は、肝硬変で肝臓が硬くなりますと、肝門脈の血管圧力が高まり、それによって、食道や胃の周りに血管(静脈)の逃げ道ができます。これが静脈瘤とよばれるものです。静脈瘤は、いったん破裂すると胃や小腸の中に大量出血を起こすため、吐血や下血がみられるようになります。大量出血を伴いますと、生命に危険が及ぶことがあります。
肝硬変のその他の症状としては、白眼が黄色くなる黄疸、首、胸、頬に赤い斑点ができるくも状血管拡張、手のひらが赤くなる手掌紅斑、へその周りの静脈が太くなる腹壁静脈拡張、鳥が羽ばたくように手が震える羽ばたき振戦、男性で乳房が大きくなる女性化乳房などの症状が現れる場合があります。
肝硬変の合併症の中でよくみられるのが肝性脳症とよばれる合併症です。大腸内では大腸菌やウェルシュ菌などのヒトの健康に害を与える悪玉菌が、食事に含まれるタンパク質を腐敗発酵し、アンモニアなどの有害物質を産生します。通常、腸内で生成したアンモニアなどの有害物質は、肝門脈を経由して肝臓へ運ばれ、そこで解毒分解されます。しかし、肝硬変では、肝臓全体が障害されているために解毒作用が低下していますので、解毒されなかったアンモニアなどの有害物質が血液中に溜まり、高アンモニア血症となります。その結果、アンモニアの毒性によって、脳の働きが低下し、肝性脳症が起こるのです。
便秘は、大腸内で悪玉菌が増えた状態となっています。ですので、肝硬変で便秘になりますと、アンモニアなどの有害物質の生成量が増加し、肝性脳症が発現しやすくなるのと同時に、肝性脳症を悪化させることになります。肝性脳症の初期は、物忘れといった精神症状が現れますが、それが進行しますと錯乱状態や混迷に陥り、また重度の肝性脳症では、意識がなくなり昏睡状態となって、寝たきりの状態に陥ります。このように、便秘は、肝硬変にとって、肝性脳症という重大な合併症を誘発させますので、肝硬変の便秘対策は非常に重要となります。
肝硬変の治療法は確立されていませんが、食事療法によって肝硬変の進展を抑制することができます。また重大な合併症である肝性脳症も予防することが可能となります。従来から、肝硬変の食事療法においては、高炭水化物食および高タンパク質食が推奨されていました。しかし、高カロリー食、高タンパク質食は、むしろ肝がんを発症させることが知られるようになり、このような栄養学的な食事療法は否定されています。また、高カロリー、高タンパク質食は、最近の肝硬変の原因となる肥満や糖尿病を悪化させますので、好ましくありません。
現在では、肝硬変における食事療法の指針は、以下のようになっています。①エネルギー必要量は、原則、栄養所要量を目安として、1日あたり体重1キロあたり25~30kcalとする。50キロの体重の人では、1日あたり1,250~1,500kcal、②タンパク質の必要量は、高アンモニア血症がな
場合、1日あたり体重1キロあたり1~1.5グラム(体重50キロの場合は50~75グラム)。高アンモニア血症を伴う肝硬変の場合には、1日あたり体重1キロあたり0.5~0.7グラム(体重50キロの場合は、25~35グラム)、③脂肪必要量は、エネルギー必要量の20~25%、とされています(日本病態栄養学会)。また、便秘の予防のために、積極的な食物繊維の摂取が推奨されています。
病院では、肝硬変の合併症である肝性脳症に対処するために、ラクツロースというお薬が処方されます。肝性脳症は、先にお話しましたように、腸内細菌の悪玉菌が産生するアンモニアなどの有害物質によって引き起こされます。ラクツロースは、ビフィズス菌や乳酸菌などのヒトの健康に有益な善玉菌を増やします。その結果、善玉菌が増えることによって、アンモニアを産生する悪玉菌が減り、アンモニアの腸からの吸収も減って、血液中のアンモニアの量もまた減少し、高アンモニア血症が改善されます。これによって、肝性脳症の予防や改善につながることになります。
ラクツロースは、医師の処方が必要な医療用医薬品で、一般の方が直接、薬局等で購入することはできません。ラクツロースの1日服用量は、18~36グラムとなっていて、水に溶かして飲みます。しかし、ラクツロースは、2個の糖質が結合した砂糖のような糖類であるために、甘く感じられて、患者さんにとっては、毎日それを飲むのが非常につらく、困難を伴います。また、服用量も多いことから、副作用として下痢が引き起こされます。ラクツロースは、肝性脳症を発症していない肝硬変の患者さんにも予防として処方されるケースが多いのですが、飲みにくい欠点があります。
しかし、ラクツロースと同じ働きのある食品成分があります。イヌリンとよばれる水溶性の食物繊維です。イヌリン食物繊維は、医療用医薬品ではございませんが、ラクツロースと同様に、腸内のビフィズス菌や乳酸菌を増やす作用があり、便秘の解消にも、よく用いられている天然成分の水溶性食物繊維です。ビフィズス菌などの善玉菌を増やす作用をプレバイオティク効果といいますが、イヌリン食物繊維は、ラクツロースよりも強いプレバイオティク効果を有しています。ラクツロースは善玉菌を増やしますが、その一方で、大腸菌などの悪玉菌もまた増やす作用があります。他方、イヌリン食物繊維は善玉菌を増やしますが、悪玉菌は増やさないといった選択的プレバイオティク効果があり、理想的なプレバイオティク効果を有している特徴があります。また、イヌリン食物繊維は、ラクツロースと異なり、味はなく無味・無臭で、飲みやすい特徴もあります。最近では、タブレットタイプのイヌリン食物繊維が市販されていますので、水に溶かさず、そのまま飲めるものもあります。肝硬変では、食物繊維の積極的な摂取が推奨されていますので、このような観点からも、イヌリン食物繊維は肝硬変に対して総合的に最適な食品成分となります。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が健康補助食品として市販されています。肝硬変に伴う便秘や腸内環境の改善に、このような健康補助食品を活用するのも有用です。
肝硬変の初期から中期の患者さんにおいては、多くの方々が、入院治療ではなく外来治療として治療を受けていて、普段は、お家にて普通に生活されています。肝硬変や肝性脳症への進展を抑制するためにも、普段の食事の中に、食品成分であるイヌリン食物繊維を取り入れることが大切です。食物繊維の補給にも役立ちます。
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