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あの直木賞作家がこっそり教えてくれる愛想の真実

愛想

愛想 クセになるナゾトキファンタジー

結婚して、夫婦二人暮らしも6年。
夫の貞彦さんは、仕事一筋を

通り越して、寝言でも仕事のこと、

ご飯を食べていても仕事の話。
仕事以外でやるのは、
ネットゲームの将棋だけ。
貞彦さんの細胞は、この二つのみで
できていた。

唯一、二人の会話は、
深夜に帰宅して、一緒に遅い晩御飯を

食べている時のみ。
メニューは貞彦さんの希望で、

ほとんど丼もの。

2,3個の小鉢に副菜を入れ、
骨のある魚なんてだしたら、

 

 

「時間の浪費です」

 

と、食卓で「お醤油とって」というように
声のトーンを変えず、魚を
ズズズッ…とテーブルの中心に押し上げ、
食べない態度を示す。

でも、誰だって好き嫌いはあるし
飲食店でも、男性ターゲットのお店は
メガ盛りでガッツリ系。
女性はいろいろな種類を、ちょっとずつ
たくさん食べられたほうが嬉しい。

だから、これは男女の違いなんだ、
と、いつも同じものばかり作っていた。

けれど、この食卓での会話は、6年間ずっと、
私に警告を出し続けていた。

 

 

 

 

結婚当初から、そんな生活を
おくっていて、寂しくないのかと
きかれたけど、本音はやはり
寂しかった。

でも、それ以上に感謝していた。
貞彦さんに。

子供の頃から、原因不明の頭痛、
めまいで普通の人が普通に過ごせる
1日をすごせなかった。
どれだけ病院を変えて、検査をしても
問題ないですね、といわれる。

友達と楽しく遊んでいても、
じわじわ頭痛がはじまり、痛み止めを大量に
飲んでごまかしても、最後はめまいと
吐き気で、2日間は寝込む。

この時から、希望の職業も、結婚も、子供も
すべてを諦めた。

それでも、卒業後は
一日5時間程度なら、アルバイトが
できるまでになった。
ただ、睡眠、食事などを徹底的に管理して、
なんとか5時間。

 

人生に希望や夢をみるだけ、現実に
傷つくのだから、からっぽの
愛想笑いだけをむなしく
もっていた。

この時、出会ったのが貞彦さんだった。
すべてを受け入れてくれる
唯一の人。
受け入れてくれる、唯一、
と、勝手に私が思い込んだ人。

なぜ、社会でしっかり働けない、
こんな私を受け入れてくれたのか。
それは

『愛』

………だったら、どれだけ幸せだっただろう。
本当の理由は、結婚後
知ることになった。
 

 

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連載:はじめての「愛想」

撮影会に行こうという時、どんな気持ちでいるのか。カメラマンによって人それぞれであろうかと思う。

 

私の場合で言えば、次のようなことかと思う。

 

初めて行く撮影会だった場合は、どんな主催者なんだろう?ってことだ。まあ、どんな撮影会なんだろうってことと同じになる。私は撮影会の雰囲気というのは主催者次第だと思っているからだけど、愛想がいいとか感じがいいにこしたことはないけれど、どんなポリシーを持って撮影会を主催しているのだろうかという点が少しだけ気になる。

 

次に初めて行く撮影会ということは、たぶん予約したモデルに会うのも初めてだ。どんな子なんだろう?と普通は思うだろう。宣材を見たり、ツイッターでの発言を見ておくようにはしているけれど、やはり会って見なければわからないことも多い。

 

基本的には個人で営業しているモデルのところには行かない。ポートレートを撮るということに関して言えば、撮影会で撮ろうが、個人で撮ろうが同じことだと考えるカメラマンもいるだろう。しかし私にとっては同じではない。銀座で酒を飲むのと、個人的に知り合いの女の子と酒を飲むのでは違うのと同じことかもしれない。ましてや個人営業のモデルは知り合いですらない。

要するに撮影会という遊び場に行っているのだ。

 

さて、次にどんなことを考えているかといえば、撮影時間いっぱいは撮影しないということだ。これは撮影会というのは風俗と同じと何度も書いているけれど、そこのところに通じる。もし私がソープランドで働く女の子だったとして、時間いっぱい求めてくるお客は好きになれない。1発いくらとコストパフォーマンスを考えるような男性を軽蔑するだろう。

やることはやる。撮るものは撮るがそれだけで終わってしまうのは生きている時間がもったいないとまで思う。途中でお茶でもしてリラックスしたいし、モデルと話をして少しでも相手のことを理解したいとも思う。となれば撮影ばかりするのが撮影会ではないと思うのだ。

 

そういう意味ではオフ会も好きになれない。撮影時間とお茶の時間を分けてしまうのはなんとも味気ない。余裕が感じられない。

 

撮影会の1枠というのは撮影するだけの時間ではなく、休憩も含めた時間だと思ってる。しかし断っておきたいが、モデルにとって1枠というのは休憩を含まない撮影時間だということだ。モデルである限り、時間いっぱいポーズを取りつづけるべきだと思う。そのために枠と枠の間に休憩時間がある。

連枠の場合、大抵の撮影会では途中の休憩時間は撮影時間にはカウントされない。一種のサービスというような扱いになってる。しかし、その本来休憩時間であるべき時間帯をも撮影しようとするカメラマンが居ることも確かだ。そのため撮影規約で必ず休憩をいれるよう記載しているところもある。

本来ならこんなことは規約になんぞ記載せずともカメラマン側で余裕を見せてもらいたい部分だ。

 

連枠にしたら、枠と枠の間の時間以上の休憩時間を取るようにしたい。途中で集合場所に戻らない分だけ助かっているし、なによりモデルのパフォーマンスやモチベーションを保つにはどうしたら良いかをカメラマンは考えるべきだ。

 

まあ、連枠だと途中の休憩をさっぴいて時間をカウントする撮影会もあるが、それならば休憩なしで撮影されても文句は言えないだろうと思う。そもそもそんな撮影会なら行かない。カメラマンを信頼しない撮影会主催者がいるような撮影会なら行く価値がない。

 

なんにしても、主催もモデルも懸命にやろうとしているような撮影会に参加したいと思う。参加して楽しい時間を過ごして、ちょっと疲れて帰りたい。

 

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