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TBSがエマの息の根を完全に止めた

エマ

エマって馬鹿なの??

 

劇団☆新感線

「髑髏城の七人 season花」
 
[作]中島かずき
[演出]いのうえひでのり
 
[出演]

小栗 旬 / 山本耕史 / 成河 /

りょう 青木崇高 清野菜名 /

河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 礒野慎吾 吉田メタル 保坂エマ /
武田浩二 加藤学 川島弘之 南誉士広 熊倉功 縄田雄哉 藤田修平 北川裕貴
池田竜治 後藤祐香 樹麗 田代絵麻 傳田うに 中野順一朗 原田賢治
藤咲ともみ 村井成仁 村本明久 山田寛人 吉田大輝 吉野有美 渡部又吁

近藤芳正 / 古田新太

 

 

 

4月22日18:30?、IHIステージアラウンド東京にて。

噂のぐるぐるシアター(笑)初体験して参りました。

 

期待と不安の入り混じった、My初日にして、もうMy千秋楽。

これ一回きりの花髑髏観劇。

新感線の舞台を一回きりしか観ないのは、ファンになってから初めてのこと。

大事に大事に記憶に焼きつけて、世界に浸ってきた。

 

勝手知ったる髑髏城の物語、それでも最大限に新鮮な驚きを味わいたい。

そう思って、開幕から3週間以上の間、ネタバレをとことん避けてきて正解でした。

劇場ならではの演出だけではなく、新キャストに合わせた脚本の変更点もたっぷり楽しんだ!

特に山本蘭&成河天の特性を生かした脚本アレンジには全力の拍手を送りたい。

歌・ダンス無しのシンプルver.演出なのですが、見せ場は本当にシビれます。

本編はもちろん、カーテンコールがヤバい。

仮にこれがゲキシネになったとして、いつものノリでカテコをばっさりカットされた日には、

とうとう暴動が起きるであろうレベルで格好いい。

 

内容はネタバレ含めていっぱい語りたいことがあれど、

やはり話題になっているので、劇場の話も多くなってしまう。

これについては、恐れていたより全然良かったです。

ぶっちゃけ開幕当初は不安要素しか聞こえてこなかったけれど(笑)

 

歩けば豊洲駅から20分程度だそうですが、あいにくこの日は雨だったので歩きは断念。

ゆりかもめで行けば、市場前駅すぐ目の前が劇場です。

せっかくなので駅から見える光景をパシャリ。

 

 

 

 

噂に違わぬ閑散とした光景!!

作品の舞台でもある「関東荒野」とはまさにこのこと、と言わんばかりの、見事な荒野っぷり。

しかも、劇中では雨の演出がありますので。

終演後、一歩劇場の外に出た友人が、降りしきる雨と目の前に広がる荒野を改めて見て

「4Dかよ!」

って叫んだのが忘れられません(笑)

「観客は、戦国の世の真っ只中に引きずりこまれることとなる…」

って、こういうことか~!(違う)

 

まぁ、そういうのは置いておいても、立地が不便であることは間違いない。

ららぽーと豊洲で腹ごしらえ→ゆりかもめで市場前駅へ、の流れが、一番ゆっくり、余裕持って行動出来るかなぁと。

劇場への行き方については、新感線公式様がまとめて下さったに勝る案内は今のところないと思うのでご参考まで。

 

ロビーが狭いのも難点のひとつ。

一応立って食べるカフェコーナーや、座れるソファーは若干ありました。

ロビーが狭いからといって、さっさと客席に向かっちゃうと、客席間も大変狭いので窮屈かも。

ただ、やはり独特の新劇場、余裕を持って入って、中の雰囲気を楽しむのもアリです。

いわゆる「新しい匂い」がしました(笑)

良い点は、お手洗いの数が多くて、案内もしっかりされていることですね!

これは本当に助かる。

休憩時の列は膨大だったけれど、回転も速かった。

あと、開演前・休憩時・終演後と、ぐるっと半周して客席出口の位置が変わっているのが面白かったです。

うわー、本当に回ってるんだ!ってテンション上がった。

帰りは、舞台を突っ切って帰ったり、ね。

そういう意味でも、確かにアトラクション感あったなぁ。

前の席との段差があまりないことによる見え難さについては、今回の私の席に限って言えばそこまでストレスになるほどではなかった。

ただ、目の前の方がマナー悪くも前のめりになっちゃったり、そうでなくても座高が高いとやはりキツイかもしれません。

こればかりは運次第としか。

 

外側の話はこれくらいで、中身について。

回転…は、実はあまり「回ってる」感は無かったですが、

縦も横もほぼ真ん中だった、私の席の位置的な問題だったのかも。

位置によっては、結構体感できるのかな?

個人的には正直「回る」ということについては、そこまで重要じゃなかったです。

何が凄いって、視界180度ほぼいっぱいに広がるスクリーンの映像、あるいはステージセットの圧倒的迫力!

奥行きもかなりある。

これは、確かに他の劇場では絶対無理だ。

そして、映像で後から見ても、同じ感動は無理だ。

あの没入感、臨場感。パノラマのような光景、それが物語の中で活かされる瞬間。

スクリーンで仕切って、せっかくの舞台を狭く見せてしまってるのが勿体ないなぁ、と思った矢先、

そのスクリーンが開けて目の前いっぱいに広がる髑髏城の世界。

それをとことん際立たせる映像の迫力、照明、音楽、何より役者の演技。

 

ああ、これは凄い。

これは、わざわざこの荒野に足を運び、13,000円を払って体験する価値が、確かにあるものだ。

ちょっと悔しくなるほどに、そう思わされました。

何年演劇ファンをやっていても、全く新しい興奮はいくらでも味わえるものですね。

 

そして、ストーリーそのものがやっぱり何度観ても面白いんだよ、「髑髏城の七人」。

多少無理やりでも荒唐無稽でも、それをねじ伏
せる面白さ。

奇妙な縁で集まった有象無象が圧倒的多勢の巨悪に立ち向かう王道時代活劇、たとえ先が分かっていても心躍るし手に汗握る。

脚本・中島さんお得意の史実をベースにしたはったりはバッチリ決まっているし、

いのうえさんが趣向を凝らして演出する、過去のver.を観ている人にはおなじみの各見せ場は大盛り上がりで何度も拍手喝采が起こっていました。

 

キャストについて、まず2度目の捨之介役になる、主演の小栗旬さん。

正直に言うと前回は満足したとは言い難かったのですが…

今回は本当に良かった!

圧倒的格好良さ!

弱さや迷いを必要以上に感じてしまったワカドクロから6年、歳や経験を重ねられたこともあるのでしょうが、

殺陣が抜群に良くなっていただけでなく、どっしりした厚みがぐっと増してた。

タイトルバック、凛と立っているだけであの華はなんだ。

休憩一発目に隣の友達と顔見合わせて「小栗旬やべぇな!」って叫んだよ。

だから、準劇団入りする三回目のゲストがあれば、今度は捨之介以外の、彼の為だけの役で観たいなぁ。

 

耕史くんの蘭兵衛は、これまでの蘭兵衛像とはかなり違っていました。

ビジュアルは割と今まで通りな分、役作りに新鮮さがあり楽しめた。

多分だけど、過去未来において蘭兵衛役に抜擢される役者さんの中で、今回みたいな路線の蘭兵衛はあまり無いんじゃないかな。

殺陣の華麗なことといったら!

 

成河さんはネタバレでたっぷり語りますが、多分今回彼の天魔王のことを忘れられる観客は1人もいないと思う。

あの天魔王が観られただけでも、花髑髏に足を運んだ価値があったと本気で思う。

素晴らしかった。

 

そして古田さん…。

皆様、おっしゃってますね。

皆様おっしゃってますけれど、私も言いますね。

 

ズルくない!!??(超褒めてる) 

 

出番も台詞も、凄く少ないんですよ。

でも、そうとは思えないインパクトなんです。

出てくるだけで、観客の視線を、笑いを、拍手を、心を、全てをさらって行ってしまう。

新感線というフィールドにおいて、古田新太に抗うなんてのは全く無理なことなのだ。

そう思い知る存在感でした。

 

極楽役・りょうさんは美しいし、兵庫役・青木さんは暴走気味で暑苦しくも格好いいし、

沙霧役・清野さんのアクションは期待以上の素晴らしさ!

近藤さんの狸穴は、とてもチャーミングだけれど決めるシーンの貫禄はたっぷり。

20年前、97年版から同じ役を演じている三五役・河野さんと礒平役・礒野さんは流石の板につきっぷり。

というか、20年前と全然変わってなくないか御二人…むしろ三五ちゃんに至っては若返ってないか。

 

ぐるぐる回るってどんな劇場なのか、散々やってきた髑髏城が今更どう新鮮に感じるのか、

ネタバレ抜きに語るのは限界があり、もし当日券等にチャレンジするか迷っている未見の方がいらっしゃるのであれば

「百聞は一見にしかず」

の言葉とともに背中を押したいと思います。

少なくとも私は、めちゃ満足度の高い公演でした。

 

以下、ネタバレ感想になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんのカーテンコールやっば格好いいな!!!!!!!!

 

って、まず第一声の感想として叫びたい。

髑髏城、贋鉄斎の鍛冶場、彼岸花畑、そして無界の里…。

それぞれのフィールドに立って、スクロール映像のように、この芝居の名場面をリプレイするかのように、

回転する劇場に合わせてポーズを決めて現れるキャスト達。

今までに観たことのない、最高に格好いい終幕の挨拶でした。

アニメやドラマや映画、映像作品ならともかく、演劇においてこんな表現が出来るのはこの劇場だけ、

そしてここまでバッチリ格好良くやって見せられるのは新感線のいのうえ演出以外に無いんじゃないかな、って思った。

 

他にも、劇場ならでは、な演出が沢山あって良かったなぁ!

オープニングから、視界いっぱいに広がった映像に「うわぁ!」って思ったもん。

場面転換で、セットをそのままにしておける利点も大きい。

実際に水を使った小川が流れていて、立ち回りで誰かが突っ込む度、走り去る度に上がる水しぶきも臨場感たっぷり。

そうかと思えば、「ヌタウナギの生態解説」みたいに、本当にどうでもいいことにスクリーンを贅沢に使ったりして(笑)

皆が「いのうえさんの新しいおもちゃ」とおっしゃるのも良く分かる楽しさでした。

 

脚本でいうと今回、蘭兵衛が山本耕史、天魔王が成河というキャストによる変更点、非常に納得のいくものでした。

第一弾の情報が出た時はてっきり、配役は逆だと思い込んでいた私。

意表を突かれて大変驚き、また楽しみになったんですが、同時に

 

「成河さんは小柄だし、耕史くんは割とがっしりして男らしいし、強すぎ蘭兵衛にならないかな?

天魔王、勝てるんかな?

むしろ、蘭単独で髑髏城攻略できるんじゃないかな?」

 

くらいのことは思っていた(笑)

それが、観て思わず膝を打ち「こう来たかー!」と叫びたくなりました。

顔が焼けただれ、脚を引きずる異形の天魔王が蘭を「兄者」と呼び無垢に慕い、

過去最高に男らしい色っぽさを放つ力強い蘭兵衛が天魔王に変わって髑髏城の玉座に座り、(恐らくは)恋仲であった極楽を裏切る。

天魔王より立場も腕っ節も上の蘭兵衛と、そんな彼を新しい髑髏党の長として迎えると嘯く天魔王。

両名の個性が存分に反映された、新しい天魔王と蘭兵衛。

とても新鮮で、ワクワクゾクゾクして、そして怖くて哀しい2人だった。

蘭兵衛と極楽太夫間に漂う、男女の関係が色濃かった分、極楽と兵庫のラストシーンもよりラブストーリーぽくなっていた。

兵庫、それプロポーズじゃん、プロポーズじゃん!ってニヤニヤしつつも感動してしまった。

 

あとはやっぱりタイトルバック!

毎度毎度本当に格好良いなぁ。

雨(ミスト)をスクリーン代わりにして、バーンと映し出される「髑髏城の七人」。

新感線の舞台を観る上での醍醐味のひとつですね。

物語も、7人の意外な構成といい、

ラスボス
(天魔王)のいるラストステージ・天守閣を目指して仲間達が順番に敵を倒して行く展開といい、

かつての仲間と戦わねばならない悲劇といい、

無条件で魅力を感じる要素がてんこ盛り。

その骨組は変わらないまま、キャストと演出(そして劇場)の違いだけで毎度これだけ新鮮な驚きと、安定した高水準の満足をくれる「髑髏城の七人」by劇団☆新感線は、

やはり大した演目だと思うし、一年以上のロングラン必須なのであればこの演目をおいて他になかっただろうとも思います。

 

髑髏城については、言葉を選ばずに言えばある種の宗教戦争みたいな一面がありますよね。

ファンそれぞれに、至高とするキャスティングやver.がある為、その思い入れが強くって、

私自身も少なからず持っている複雑な思いが再演の度に乱れ飛ぶのも恒例なのかなと思います。

情報解禁時にもちらっとその辺りの思いは書きました。

ただ悔しいかな、観たら観たでこんだけ面白いんだよなー!

とチョロい演劇ファンの私は手のひら返して思うのでした。

 

以下、キャスト毎の感想。

 

☆捨之介(小栗旬)

上でも書きましたが、今回本当に殺陣が早く、力強くなってたー!

その効果もあってか、若く迷いのあった捨之介から、どっしりと安定した捨之介にかなり寄っていました。

個人的にはやはり捨之介にはスーパーマンでいてほしいので、その変化は今回大満足。

無界の里にやってきた時に、兵庫が太夫の裸を見届けないまま殴り込んだことについて、

「ワタシは!止めたんです!!」

と主張するオープンスケベっぷりもかなり板についてましたもんね!(←重要か?)(←重要です)

とは言えやっぱり爽やかさが勝る小栗捨だと、沙霧との関係はお兄ちゃんと妹分っぽく見えるなぁ。

オープ二ングで肩にひょいと担ぎ上げたりして、可愛い2人(*´∀`*)

そして登場シーンの武器は鉄扇、またまたそんな格好いいアイテムを…。

あの場面しか登場しないの、勿体無かったなー。

もうひとつ惜しむらくは、せっかく迫力を増した殺陣での百人斬りも捨之介に注目したかったのに、

相方が自由過ぎてすっかり視線泥棒されちゃったこと。

最後の決め台詞「ガラじゃねぇよ!」はやっぱりソフトに言うんですね。

好みだと思いますが勢い良く言って走り去って欲しい派。

 

舞台が広いだけあって、殺陣をしっかり観たい場面で圧倒的に目が足りない!ってなっちゃったから、

もしライビュ行けたら今度こそ目と記憶に焼き付けたい!

 

最後に、上にも書いたけど、次は新役で観たいな、小栗さん。

かなりハマリ役になっていたとは言え、「捨之介」は決して彼の為だけの役ではなく、

せっかく2回客演してるのに2回とも捨之介ってやっぱり勿体無い気が。

浦井さんが客演で2回シャルルを演じたのとはわけが違うと思うし、(あまりこの言い方は好きではありませんが)ワカドクロの「リベンジ」が果たせたのなら、

心置き無く準劇団員入りの3回目は小栗旬の為だけに書かれた役で!

歌って踊っちゃってくれてもいいのよ!(笑)

(ところで準劇団員入りの基準は3回ゲストから2回に変更になったんですか…?)

 

☆無界屋蘭兵衛(山本耕史)

美しいけど、儚げでも弱々しくもない。

匂い立つようなオトコの色気、そして髑髏城に単身乗り込んでいっても「勝てる!この蘭兵衛なら!」と思える強さ。

こんなに男らしい蘭兵衛は初めてで新鮮!

登場シーン、髑髏党の横暴に怒って飛び出してくるのではなく、あくまでクールに敵をなぎ倒していく鮮やかさ。

「いい月夜ですなぁ」から始まる「野心に生きるは遅すぎる…」というお馴染みのキメ台詞まで、

登場シーンで言っちゃうんだ!という余裕っぷりに惚れるよー。

華麗で速い殺陣も含めて超格好いい!

 

一幕終盤、決意を固めて無界を後にする場面は、この劇場ならではの演出炸裂で凄く良かったです。

パノラマのように広がる、無界の様々な情景を、男達女達の笑顔や騒めきを見つめ、それを背にして歩き去る蘭兵衛。

回転と同時に過ぎ去っていくそれは、蘭兵衛が自分自身で作り上げた楽園であり、

遂に2度とは守るべき場所として戻らなかった場所。

結末を知っているだけに涙が出る、美しく切ないシーンでした。

そして、無界襲撃の理由が理由なので、蘭丸として覚醒後の冷淡さにはゾッとするし哀しい。

家康1人が目的で、無界の人達を殺さなければならない理由はないはずなのに、たまたまそこにいただけで。

あと、今回の山本蘭は、夢見酒というよりも天魔王の言葉の魔力、そして何より自分自身の意思で蘭丸に還ったような印象が強い。

薬程度で惑わされるような弱さを感じなかったせいかもしれない。

「殿の遺志を継ぐ」その為なら無界も、極楽太夫さえも捨ててしまえる、

そんな強い強い後悔をずぅっと抱えてきたのだろうとも思える。

本っ当に愚かだけれど、それ以上に哀しくて、私はこの蘭兵衛像がとても好きでした。

耕史くんも、次回の新感線では新作で、思い切り歌って踊ってほしいなー!

 

☆天魔王(成河)

なんという役者だろうか!

この演目を観て、彼の天魔王に魂を奪われない観客はいないのではないか。

そうも言いたくなる、かつてないほど異形の天魔王でした。

 

過去の天魔王はそれぞれ特色があって。

恐ろしいと同時に観惚れてしまう、「悪のカリスマ」的な魅力があった古田&染様。

あれは、非道でありながら、悪魔の頭脳と冷静さと、あと確かに正気を保っていたからこそのカリスマ性だったのだと思う。

そして、飄々と軽く、若干の小物感も漂う「子どもっぽい残虐性」だった未來天魔王。

これも、「狂気」というより「幼児性」に近かった印象。

 

そして、今回の成河天魔王は…

まるで、狂気とおぞましさの化身のようでした。

人間じゃない、何か恐ろしい化け物のようでした。

一度地獄を覗いて、人間じゃない存在としてそこから戻ってきたような天魔王でした。

あの顔の傷がますますそう思わせるのか。

これほどまでの突き抜けた狂気を持った天魔王はきっと初めてだったと思う。

そして同時に、「兄者、兄者」と蘭兵衛を慕う(ふりをしていた)彼の見せかけの健気さは、

殿の最期を見届ける為に受けた足と顔の傷が示していた一途さは、

「純粋」
いう要素もまた与えていたように思います。

「狂気的純粋さ」と言えばいいのか、その天魔王像が成河さんにぴったり。

 

その全てが見せかけであり嘘であったと分かった後でも、垣間見せていたそれらが、不思議と呪いのように頭について離れない。

今までで一番純粋で、怖くて狂っていておぞましい天魔王。

(実は無事な)足を引きずりながらの立ち回りも、その歪さが恐ろしいと同時に妙な迫力と見応えがあって目が離せませんでした。

そして、「言葉で人を操る」という特性も強く感じた。

9割方狂ってるんだけれど、ほんの僅か残った正気で言葉を紡いで、蘭兵衛を惑わせていく感じがおっそろしくて恐ろしくて。

あの奇怪な笑い声も、ニヤリと笑う火傷顔も、そして足が使えないのが演技だとばらしてからの、軽々とした身のこなしもあって、

全く異形のバケモノのような天魔王でした。

 

いや~~、この公演で初めて成河さんを知った方も多いと思うのですが、絶大なインパクトを残したでしょう。

やってくれるとは思っていたけれど、ここまでとは。

あれで歌も激ウマなんですって、今度の新感線では是非歌って踊って(略)

カテコで天魔王のキャラを保って、ずっとガンたれてたのまで最高だった!

 

☆極楽太夫(りょう)

美しかった~!

大人っぽく凛としているけれど、男勝りというよりもやはり「大人の女」といった雰囲気。

だから、山本蘭兵衛と並ぶと、長年の男女の相棒、というよりはやはり「恋仲」「夫婦」の雰囲気がある。

兵庫を手玉にとる余裕とはまた違う、長年連れ添った関係だからこそ醸し出される穏やかさを感じるようでした。

何度も「2人で作り上げた無界の里」と強調していたのも印象的。

彼女にとって蘭兵衛は、恩人であり唯一無二の相棒であり、

そしてやはり、異性として愛した相手だったのだろうなぁ、と。

 

だから、彼にとどめを刺し、殴りかかり、最後に縋りついて泣く姿まより一層切なかった。

蘭兵衛に縋りついて泣く、というのは、私の記憶が確かなら、多分初めてだと思うのです。

これまでの極楽は、遺体に激昂して殴りかかるのを兵庫に止められてそのまま去っていくか、

去り難いように傍らに立ちすくむか…。

今回においても、そうであって全然不思議じゃない、むしろそんなものだと思うんです。

だって、観客以上に極楽太夫が、蘭兵衛の所業を許せるはずがない。

裏切った相手、憎い憎い仇に、それでも縋りつかずにいられなかった極楽太夫の気持ちを思うと、ここは泣けてしまった。

最後の兵庫の懸念、蘭や無界の仲間の後を追って死んでしまうのでは、と思うのも最もだと思う程に、

蘭兵衛がいろんな手段で付けて行った彼女の心の傷の深さを思い知る。

だから尚更、その後の兵庫の言葉がぐっと来ました。

 

☆兵庫(青木崇高)

そう、極楽を救った兵庫の言葉!

そんな兵庫だから、毎回毎回好きにならずにはいられないのです!

プロポーズ、めっちゃキュンとしたよ!

この物語はある意味、長い長い兵庫の恋物語でもあったのだなぁ、と、

そういう視点で「髑髏城の七人」を見るとまたまったく違った面白味がありそうだな、と、

「お、兵庫視点の『髑髏城の七人』も良くない??」と、

まぁいろんな夢が広がる青木さんの兵庫でした。

今回の兵庫は、動物に例えるならまさに「猪」って感じで(笑)

猪突猛進、暑苦しくまっすぐで周りを見ずに突っ走り、でも漢気に溢れて格好いい。

体格がいいから、立ち回りも見栄えするなー!

 

しかし、ワカ以降でひとつだけ物足りないとするなら…

無界の里での、極楽や兵庫、捨のわちゃわちゃシーンが少しあっさり目の描かれ方になっているから、

沙霧はともかく、兵庫や極楽が捨を助けに行くと決意するあたりのカタルシスが少し薄いかなぁ、なんて。

最初はやいのやいのいがみ合ってた捨を、兵庫が助けに行くんだ!って感慨の為にも、

あとは単純に私がもう少し、幸せな光景をたくさん観ていたいのもあって、

無界で全員集合している頃のシーンを、もっと長く観られるver.の髑髏城も今後あったらいいなぁと思います。

 

☆沙霧(清野菜名)

アクションすげー!

歴代イチ、ぶっちぎりで動ける沙霧。

飛び蹴りの高さ、側転や身のこなし、オープニングからフルスロットル!

兵庫にくらわした飛び蹴りとかめっちゃ綺麗だったよ。

髑髏城攻めでは、三五ちゃんを守って戦うたくましさに惚れぼれ。(普通逆だろ笑)

本当、怪我にはくれぐれも気を付けていただきたい!

 

その素晴らしいアクションを抜きにしても、めちゃくちゃ良かったです、清野さん。

今回、捨之介と沙霧は先に出会ってから一緒に無界の里へ向かう、アオアカ以前のタイミングに戻っており(玉転がしパターンではなかったけれど)、

そのおかげで捨之介との絆がちゃんと濃く感じ取れたのも良かったです。

またすぐにでも、新感線に出てほしい女優さんだー!

 

☆三五(河野まさと)

信頼と実績の三五ちゃん。

かーわーいーいっ!

今回、お衣装も髪型も本当可愛かった~。

「殴り込みなら、人手が足りないんじゃないか?」

この台詞、だーい好き!

その後電光石火で

「あまり信用してもらわないほうがいい」

って言うのも三五ちゃんらしくって愛おしいよー。

沙霧とのコンビも可愛い~、ちゃっかり守られてるの可愛い~。

どこを切っても、「髑髏城の七人」で一番可愛いキャラ(私調べ)の三五ちゃんの魅力は今回も炸裂でございました。

しかし、サンボさんはいつまで歳を取らないおつもりなのかしら??

 

☆礒平(礒野慎吾)

こちらも板に付いた汚れっぷり、いや鎌捌き!

実はこの「礒平」って役は、ワカドクロ以来…ではなくってもう少し最近見ているんですけれど(笑)

何回見ても、あの鎌シーンのカタルシスは相当なものです。

髑髏城において、鉄板で拍手喝采を浴びる場面。

兵庫達が髑髏城に向かってから、一人物陰から出てきて、

手元の鎌を見つめて後を追う姿も、何度観ても胸が熱い。

この人の

「お前が七人目かよ!」

という意外さ、痛快さは髑髏城の最高に好きなところの一つだったりする。

 

☆狸穴次郎衛門(近藤芳正)

歴代イチ、可愛い狸穴様じゃなかったかしら(笑)

近藤さん、喋り方がなんとなくモチっとしててチャーミングなので。

だから、キレ者っぽさとかシビアさは薄くって、とにかくいい人そうで、

「おべんちゃら言ってれば何とかなる」

という沙霧が語った人物像には一番近かった気がする。

でも天蘭無界襲撃シーンに鉄砲持って現れるとこは格好いいんだ…!

狸穴=家康、というヒントはあちこちに散りばめられてはいるんだけれど、それでも毎度わくわくする、あの正体明かされる場面です。

そして、どれだけ演出キャストが変わっても、服部半蔵のお約束ギャグは絶対入るのも嬉しいなぁ(笑)

 

☆贋鉄斎(古田新太)

私は、この配役が発表された時に、心の底からワクワクしたのです。

何故なら

「きっと生で観ることはないと思っていた、古田新太の百人斬が、この目で観られるかもしれない!」

って。

しかも、前述の通り、小栗さんはめっちゃくちゃ殺陣が良くなっていて。

これは、凄い百人斬が見られるぞ!

小栗さんにもしっかり注目しようって思って、でもいざ百人斬が始まってみれば、

 

もう古田さんガン見!

 

凄いよね!まさかのローラースケート!!

あんな、万歩計0歩達成できるんじゃ?ってレベルで動かない百人斬り、きっと後にも先にも見られないよ。

互いにキレキレなスピードの百人斬りを期待して行ったはずなのだから、確かに胸の中に「コレジャナイ」感は生まれたけれど、

それがちっとも「残念」じゃない、圧倒的インパクト。

〆とか、「そこでスクリーン使う!?」って(笑)

とことん楽する、動かないという強い意志を感じた。

(決して楽なわけではないのは承知だけれど、そう言いたくもなっちゃう古田さんの面白さ)

登場時の水車風&ローラー風刀砥ぎ機が、後々きちんと自転車、ローラースケートに姿を変えて再登場する伏線にも笑いつつ感心。

そしてちょっとの出番で全ての空気を掻っ攫う圧倒的パワー!

「まさこー!みっちー!まさこー!みっち捨之介!!」

には拍手まで起こってましたからね。

 

あと、一人称「僕」の衝撃!

あのいで立ちで何なの!?変態紳士なの?!

って思っていたら、二回目の登場時のライダースーツ、藤岡●、さんがモデルでしたか(笑)

「ちりんちりーん」ってベルが聞こえた時は「まさか!?」って思いましたけどねー、本当にチャリで来ちゃった!

まったくやりたい放題で、可笑しくって、ずるくって、

でもどうしてだか、舞台に立つとこれほど格好いい人もいないわな、って脳内満場一致で思っちゃう。

それが、我らが看板役者・古田新太なのです。

カーテンコールで人一倍の拍手を浴びる、贋鉄斎でのアトリエの姿は忘れないぞ!

 

 

 

 

以上、お付き合いありがとうございました。

これっきりなので、長々書いてしまいました。

もう手持ちチケットはないですが、ライブビューイングは夜の回なら何とかいけそうなので、チャレンジしてみようかと思います!

★6月9日追記★

なんだかんだで、我慢出来ずに増えました!やっぱりな!

ライビュの感想、2回目の劇場での観劇感想は

エマつながってる

ご訪問ありがとうございます☆
仲 恵麻(ナカ エマ)と申します。

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離島出身のド田舎娘が名古屋で結婚!
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