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秘伝・截拳道への道＝ブルース・リー＝（１） いなべFM
芸術は、魂の反映によって発せさせられた技巧の完全な習得を要求する。
民主国家では、人を拳で殴ったり、足で蹴ったりしたら犯罪だ。それに、殴る蹴るより拳銃で撃った方が効果的、かつ間違いなく相手を倒せる。つまり、簡単に言うと格闘技など時代遅れの無用の長物あつかいを受ける.ボクシング、レスリング、柔道、空手、拳法などの格闘技のことだ。
私も、足は歩くためにあり、手はモノをつかんだり書いたりするものだと考えている。なのに、どうして４０年も拳法の練習を続けてきたんだろう。最初は、単純にブルース・リーがカッコよかったからだけれど、それだけでもない。
相手に戦意を失わせるには、大きな質量のもので、スピードをつけて、急所にぶちこむのが一番。目とか股間に速いキックかパンチをくらわせたら、相手はひるむこと間違いない。
これは、頭に血がのぼっていたら出来ないこと。猪突猛進で、相手にぶつかるタイプでは相手に最大の損害や与えられない。感情のコントロールが必要なんですね。
織田信長の戦略を見ていると、猪突猛進に見えて、実は緻密な戦略を積み重ねていることが多い。戦う前から、勝っている。勝つに決まっている。そういう状況を作ってから戦を始める。
ケンカは馬鹿げているけれど、こういう冷静さ、闘争心というのは格闘技でないと養えないことが多いんです。だから、止められない。勝つか、負けるか、白か黒か。そういう緊張感は、敵と目線を合わせる格闘技しか得られないんですよ。
さて、このブルース・リーの言葉。
芸術は、魂の反映によって発達させられた技巧の完全な習得を要求する。
キックには、足刀や逆蹴りなどいろいろある。パンチもいろいろある。達人の蹴りって、素人が見ても美しいのはブルース・リーを見れば分かります。どうしてなんだろう。
でも、達人の形だけをマネした「型」はおかしい。型をいくら練習しても、本当に強くはならない。実戦に役立たない。やはり、魂というか emotional content のない蹴りでは威力に欠ける。
英語もそう。私は名古屋今池のECCに通っていた時期がある。でも、その練習は「型」でしかなかった。スキットと呼ばれる、ニセの場面の会話を暗記することばかり。
自分がインコか九官鳥になった気分だった。
英語における完全な技巧というのは、５０００語程度の単語や、最低限の文法のことだ。その習得ができていない人の英語は美しくない。
でも、技巧に走ると「型」になってしまい、形骸化する。芸術って、奥が深いんです。それは、拳法でも英語でも同じこと。単に、殴る・蹴るだけ。英語を話すだけ。ところが、達人の域に達すると美しさが出てくる。
人には、ハイレベルの何かに感応する装置が備わっているんでしょうね。
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