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大人なのに、まだ合コンがないの?

合コン

合コン伝説

駅前で、割と美味しいと評判のイタリアンのお店。
一度、来てみたかったんだよね。
ちょっと嬉しいな!

 

受付で富田先生の名前を告げると、奥の個室に通された。
本来であれば、4対4の合コン。
それが、3対5になってしまって。
男性側が4人揃っていた。

 

「あ、富田先生の紹介で来ました相葉です。」

 

「聞きました!俺、富田の大学の同級生の上野です。すみません、なんか急だったみたいで。」

 

 

富田先生と友達というのがすごくよく分かる感じのスタイリッシュな男性がすぐ声をかけてきてくれた。

 

 

「いや、こちらこそ。男の方が多くなっちゃって申し訳ないなーと思いつつ。」

 

「女性陣は、あと10分くらいで来るみたいなんで、どうぞ、入って、入って。」

 

挨拶と簡単な自己紹介をそれぞれするけど、既に知り合いっぽい4人の中にはあまり入れず、俺は、水を飲んだり、ちょっとメニューを見たりして、なんだか落ち着かなかった。

 

「相葉さん、お仕事は何を?」

 

上野さんが気を遣って声をかけてくれた。

 

「富田先生が働いていらっしゃる学校で給食主任をしています。」

 

え?給食?
え?主任?若いのに!!

そんな声がチラホラ聞かれて。

 

「じゃ、普段から料理は得意なんですか?」

 

「そうですねー。あまり外食ってしないです。だから今日は久々にこういうレストランで食べれるのも、それは楽しみで来ちゃったんですけど。」

 

「すげー!料理作れるんですか!」

 

どういうの、作れるんですか?
給食のメニューって、どうやって決めるんですか?
そもそも、なんで給食室に?

みんな、一度は給食を食べているはずなのに、やっぱり知らないことが多いみたいで、急に話が盛り上がり始めた。

 

 

「なんか、既に盛り上がってるじゃない。」

 

女性陣が来たことも気づかなかった。

 

 

「乾杯!!」

 

 

とりあえず、乾杯はしたものの。

 

 

「最近、料理作れる男子って流行ってるじゃないですか。でも、俺、全然ダメなんですよねー。」

 

「あー!俺もー!なんかレシピ通りに作ってるはずなのに、違うものができあがるんだよなー。」

 

「そして、余った食材をどうしたらいいか分かんなくってさー。」

 

「冷蔵庫で、デロデロになった野菜とか出てくるんだよなー。」

 

「そういうのって、どうすればいいですかねー?」

 

余った野菜ねぇ・・・

 

「浅漬けの素とか、売ってるじゃないですか。」

 

「あー、うんうん。」

 

「余った野菜を適当に切って、それに一晩漬けておけば、翌日、ちょうどいい酒のツマミになりますよ。」

 

「おぉ!!」

 

「そうかー。そういうことも思い浮かばないんだよなぁ。」

 

「野菜ってなんでもいいのかなぁ?」

 

「浅漬けの素だったら、キュウリ・人参・キャベツとか。もしブロッコリーとかが余っちゃったなら、ピクルスもいいですよ。」

 

「ピクルス!!」

 

「ピクルス漬けれる男子、カッコ良くない?」

 

「超かっこいい!憧れる!それ!!」

 

ずっと俺を中心に料理の話が続いてて・・・
なんとなく女子は蚊帳の外な雰囲気。

 

「あ、あの・・・そうは言っても、好きな女の子に作ってもらう料理とか、ねぇ。そういうのもいいですよねぇ!」

 

「で、でしょ!そうよね!やっぱり料理は女子の分野よね!!」

 

富田先生と話を合わせてみるけど。

 

「別に。いまどき、どっちでもいいんじゃないの?」

 

既に拗ねてしまっている女性たち。
ヤバイ。これは非常にヤバイんじゃないか・・・俺。

 

 

 

つづく

 

合コンの新しい成熟

見えない夜景から帰宅後、次男にも霧の話をしました
次はちゃんと調べて、みんなで行こうと
すると、次男も
『合コンてどんな感じなん?』
と聞くので、ちょっと笑いそうになりました
そこ?
僕は結婚なんてせえへんと言ってるけど興味はあるんや、そうなんや…
長男が次男に言いました(22歳と19歳です)
『僕は絶対結婚する。考えてみ?80歳の独身のおじいちゃんて、どうすんねん、たいへんやで。誰かのお世話にやっぱりなるねんで、例えば僕が独りでお前が結婚してたら、やっぱりお世話にならざるをえへんやろ。それはあかんやろ』
『うん。自分も兄弟頼るのは嫌やな』
そうやで、入院ひとつにしても、身寄りがなかったら連絡先は市の福祉の人とかになったりするねんで…など話しながら、この子たちも言うことが成長してきたんかなと思いました
少し何か考えたあと、次男が言いました
以下、次男と私の会話です
『なんで?不思議やな、高校のときは何とも思ってないのになんで結婚するようになったん?』
え?
お父さんとお母さんの話?
最初の頃のきっかけの話や、ポートピアランドの初デートの話などを簡単にしました
そう言えば子どもにちゃんと話したことはなかったのです
男の子はこういうことに興味もなく今まで来ました
『全然違うやん
僕が知ってるお父ちゃんは、いつもイライラして怒ってた・・・そんな楽しそうなお父ちゃんやったら、僕、気があったやろな』
そうやね
あんたが物心ついたころには、もう病気やったからね
休めなかったからかな
仕事と休みと切り替えてと言ったけど、それ以上に仕事がたいへんやったんかな
本人も上手く切り替えられへんねんと言ってたけど、性格もあるのか、同じ仕事でも何ともない人もあるのに
嘘ついてでも休んで欲しかったのにね
『休めばいいやんなぁ
ちっとも僕たちと遊んでくれへんかった。また日曜やのに仕事なん?て』
真面目な性格やから無理して病気になったんかな
で、こんなことになっちゃって…
苦しかったんやろうね
『自分で決めたんやん』
そう、苦しんで苦しんで自分で決めたんやね
『・・・なんで、って考えるのいややねん』
『なんで、って・・・知らんやん』
誰かに聞かれるの?
『違う、僕が自分でなんで、って考えてしまうねん
だから、考えるのいややから、知らんやん、て自分で言うねん』
(そっか~。やっぱり、なんで?って考えてるよね。私と同じように何度も考えたのかも知れない)
なんで・・・って、きっと本人も思ってなかったやろな、あの日にあんなことするって
『ほんまびっくりした
(あの日)おかあちゃん、歩いて帰ってきたってどういうこと?何言うてんのと思った』
絶対、本人もあの日のつもりじゃなかったはずやで
車にガソリン入れてたし、お母さんを迎えに来るって言ってたし、洗濯物を干そうとしてたのに
なんか、急にそんなことになったんかな
悔しいな
『うん、そやな』
ごめんな
三階に行かせて
お母さんが三階見てきてって行かせたから…申し訳ないと思ってるよ
『しゃあない…もうやめよ』
落ち着いてあの日のことやお父さんへの思いをこんなに話したのは、初めてかも知れません
避けることが多かったから今までは断片的でした
あの日のことは、想像のつかないほどのショックだっただろうし、それに関しては、お父さん何てことしたの、と今でも思います
私はあの最期の姿を今でも毎日毎日思い出します
私はそれでいいのです
でも、この子も一生忘れない記憶として残ってしまう、それが悲しくて申し訳なくて、腹立たしく思うのです
子どもにこんな記憶を遺さないでと
今は勉強や、大学や、やることがあって、ぼんやりとしか考えないことも、いずれ大人になって仕事をしたり悩んだりしたときに、お父さんのことを考えるのかなと・・・
不安でいっぱいです
会話のなかで、彼の成長を感じたひとつがこれでした
嬉しかったです
相手が見つかるかどうかは別にして
『結婚しないつもりやったけど、最近は少し変わった
してもいいかな』
どんな可能性も閉じずに、生きて欲しいなと思うのです
例えば結婚ひとつにしても、親の自死が障害になるという人もいます
でも私はそれが障害になる方とは価値観が合わないから、そもそも無理なんじゃないかと思うのです
過酷な人生と考えると苦しくなってしまうけど、柔軟にこの子たちには生きて欲しいのです
子どもの心のページが開かれたとき、きちんと向き合いたいなと思い、長くなりましたが記事にも残しました
皆さまの大切なお時間を下さり、最後まで読んで下さって、ありがとうございました
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