ファン必見!エマ

エマ

3年B組エマ先生

 

劇団☆新感線

「髑髏城の七人 season花」

 

[作]中島かずき

[演出]いのうえひでのり

 

[出演]

小栗 旬 / 山本耕史 / 成河 /

りょう 青木崇高 清野菜名 /

河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 礒野慎吾 吉田メタル 保坂エマ /
武田浩二 加藤学 川島弘之 南誉士広 熊倉功 縄田雄哉 藤田修平 北川裕貴
池田竜治 後藤祐香 樹麗 田代絵麻 傳田うに 中野順一朗 原田賢治
藤咲ともみ 村井成仁 村本明久 山田寛人 吉田大輝 吉野有美 渡部又吁

近藤芳正 / 古田新太

 

 

 

 

 

 

6月4日14時?、IHIステージアラウンド東京にて。

 

初回観劇の感想、ライビュの感想。

今回、3回目にして無事、見納めてまいりました。

この作品に出会えて本当に良かったです。

 

てか、今回は1回しか観ないって言ってたじゃん、私!

 

GVGの頃をご存知の方にはお馴染みと思いますが

「う?ん、やっぱり増やしたいな?、行けるかな?」

とか新感線絡みでうだうだ言ってる時は、まず間違いなく増やす私です。

今回は流石に、チケット確保は大変だったけど、ご縁に恵まれました。感謝。

 

 

というわけで、発表当初あれだけモヤモヤしていたのが嘘のようにどハマりしました、花髑髏。

最大の要因は成河天魔王です。

やっぱり今回の観劇でも、1番心を奪われたのは天魔王…。

あの役、やばいな?

底なし沼どころか、あれはあの世の入り口だわ。

今回の天魔王は、深追いしたら地獄に引き摺られる、マジでマジで。

 

そんな風に「天魔王を深追いして地獄を覗く」がコンセプトの観劇でしたが、蓋を開けてみれば、

捨も!

沙霧も!

蘭兵衛も!

太夫も!

兵庫も!

三五も!

兄さも!

狸穴も!

贋鉄斎も!

荒武者隊も無界屋の人々も髑髏党員もあれもそれも!

みんながみんな目が離せない!

 

4月時点で完成度は相当高いと思った筈なのに、殺陣も演技も更に数段階、化けていた。

いのうえさんが鳥髑髏稽古につき、あまり多く劇場にいられないのが関係アリかナシかは分かりませんが、

普段の新感線あるあるな

「初日と楽付近では別モノ」

レベルで演出や脚本が変更になっている印象はまるでない。

ただひたすらに、パワーアップしていた。

これだから新感線のリピートは我慢出来ないんだ!

 

 

興奮し、胸が熱くなり拳を握るだけでなく、ちょいちょい、いやもう終始涙ぐみながらの観劇になりました。

ちなみに最初に泣けたのは捨之介の登場シーンです。

格好良すぎて目が潤みました。

6年前のワカドクロについてはやや不満であった当時の私に、この日の感動を教えてやりたい。

そこからはキャストそれぞれの見せ場、クライマックス、感傷的なシーンや大好きなシーン、

もう事あるごとに泣きそうだったり、実際泣いてしまったり。

笑えるシーンは好きなだけ笑いました。

2回目3回目でも尚、こんな気持ちになれる作品に出会える幸せよ。

 

そして、「髑髏城の七人」というタイトルの意味を痛感するクライマックスでは、最早永遠に叶わぬことながら

「全くこの物語を知らない状態で、はじめてこのシーンをこの劇場で体感する感動を味わってみたい」

と願わずにはいられませんでした。

 

 

演出やキャスト次第で、痛快娯楽作にも、勧善懲悪の王道時代劇にも、あるいは耽美で儚い物語にもなる。

誰の視点で描くかによって、「友情・努力・勝利」のバトル少年漫画的にも、挫折と再出発の物語にも、恋物語にも、

あるいは復讐譚やピカレスクにもなる可能性がまだまだ残ってる。

それは髑髏城に限ったことではないかもしれませんが、その広がりの可能性がこんなに高いことと、

何よりも、それが出来る稀有な劇団の作品であることが、

再演を繰り返す名作たる所以であるなぁと思います。

 

各作品毎・各キャスト毎に想い入れが強く、好みがはっきり分かれる所以も、多分そこにある。

今回の花髑髏は多分捨之介視点で、結果として捨天蘭のトライアングルがより印象的に描かれていました。

私が1番好きなのは沙霧視点で描かれた97年版なので、続く鳥風月あたりではそれも見られたらいいなぁと少し期待しています。

もちろん、これまでに無かった、天魔王視点や蘭兵衛視点や、兵庫・極楽視点でも。

せっかく一年以上の長きに渡ってやるのだからね!

 

そして、片方が良い、片方が悪い、と決めつける意図はまるでなく、

比較の面白さを純粋に、存分に楽しむことが出来たのも、個人的にはこの花髑髏のおかげ。

比較することで、それぞれの魅力がよりはっきり分かるようになる気がする。

その中で好みが分かれるのはもちろん仕方無いことですが、

花のおかげで97もアオもアカもワカも、それぞれあそこが良かったなぁ!って思い返す楽しみが出来た。

とはいえ、私はワカしか生では観てないんですけどね。

タイムマシンがあったら真っ先に観に行く演目だよ、特に97。

 

 

あ、あと今回、サイド寄りの席だったためか、回転の体感が前回より格段に大きかった。

酔ったりするほどではなかったですが、成る程席によって、見え方以外にもこういう違いが生まれるのだなぁと感心しました。

 

 

公演も残りわずか。

さすがにもう増やせないので(これは本当の本当です)

あとは千秋楽まで各キャスト、怪我無きよう完走してくれるのを、回らない場所から祈るばかり。

しかし、またゲキシネ→円盤化まで1年以上待たされるのかなぁ、辛いなぁ。

 

 

以下、書き納めでネタバレ満載の、メインキャスト8人の感想です。

1回目の感想で終えたつもりだったけれど、もう一度書きたくなった。

 

 

 

 

 

 
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★捨之介(小栗旬)

上にも書いたけれど、登場シーンで早速私を泣かせるくらい格好良かったです。

「バカヤロォ」って沙霧を抱き寄せるとこも、いわゆる胸キュン的なやつではなく、

妙なキザさがちょっと可笑しい感じになってて、無界での助平っぷりと合わせて良い。

ガバッと裾を開いた太夫を下から覗きこむのとか本当助平。最低。好き(←)

 

小栗捨はやはりスーパーマンではなく、肉体も精神もタフではあっても、人間臭さがより強い気がします。

絶対に揺るがず堂々飄々とした助平玉転がしヒーローの古田捨、

ビジュアルの神々しさもあって浮世離れした印象の強い染様捨、

過去の捨之介と比べても、

「彼1人では天魔王を倒せない」

であろうことが容易に想像できる説得力がある。

それをあえて明確に台詞にしているのも良い。

だから、捨天の一人二役をやめたことで誕生した

「無敵の鎧をつけた捨の正体を、沙霧が見破る」

あの場面にも意味が見えてきます。

奇妙な縁で集った6人の仲間達が、危険を冒して敵の城に乗り込み、主人公を救い出す。

一人二役であった時の展開と比べると多少無理があるのは否めませんが、割とすんなり受け入れられたのは、その要素が大きい。

泥臭くても歯の浮くような言葉でも、「仲間がいたからここまで来れた」捨之介だったと思う。

 

ともすればそれには、弱さや自己犠牲的な悲壮感が付きまとってしまうのですが、

前回の感想に書いた通り、殺陣の迫力と共に逞しさ芯の太さが圧倒的に増していたので、ヒーロー物としての魅力も存分に出ていて、もう最高でした。

百人斬りかぁっこよかったー!

両足ジャンプして剣を真横に薙ぎ払うアクションが好き。

今回はかなり落ち着いて彼を目で追うことが出来ました。

(前回は、古田さんしか目に入らなかったからなぁ…あのインパクトずるすぎ!)

 

あと、細かい好きポイントだと、蘭兵衛の登場シーンで無界の面々が彼を

「お、お帰りなさい!」

と迎える時、捨も一緒になって

「お帰りなさい!」

って深々と頭を下げてるとこ。

便乗しました感が可愛い(笑)

 

最初の涙ポイントが彼の登場シーンなら、最後の涙ポイントが彼の去り際

「ガラじゃねえやぁ!」

でした。

捨之介に始まり捨之介に終わる、素晴らしい主演。

あと一息、怪我なく突っ走って下さい!

 

 

★無界屋蘭兵衛(山本耕史)

観れば観るほど、彼の心は夢見酒を飲む前から決まっていたのだなぁ…という気持ちになりました。

 

今回の捨・天・蘭のうち、私は腕っ節だけ見れば、一番タフそうなのは蘭兵衛だと勝手に思っています。

逆に精神面で一番アンバランスそうなのも、この蘭兵衛。

捨之介はそれをちゃんと知っていて、だからこそ彼に何度も「蘭兵衛」と呼びかけることで釘を差す。

お前はもう森蘭丸ではないよ、無界の里という立派な楽園の主・無界屋蘭兵衛だよ、と。

結局その思いも虚しく、蘭兵衛は蘭丸へと還ってしまいますが、

それは、決して彼が精神的に脆いとか、弱いだけの話ではないように思いました。

 

きっとだけれど、山本蘭兵衛の中では、織田信長公への想いがあんまりにも強過ぎたんだろうな。

蘭兵衛ほどの男の心の強さでも、彼自身の信長公への想いの強さに打ち勝つことが出来なかった。

そして、そのことを捨之介や、もしかしたら蘭兵衛本人以上に、

腹が立つくらいよっくよく分かっていたのが天魔王だったんだと思う。

(それだけ天魔王は、殿と蘭兵衛をずっと見てきたのだろうとも思う。)

 

そう考えると、

「俺がやるべきことは俺が1番良く分かっている」

の台詞を深読みしてしまうし、

やっぱり山本蘭兵衛は、最終的に彼が本当に生きたい道を選んだと思うことが出来るし、

その過程で無界を滅ぼすことになったのも彼自身の意思なのだから最期にもいよいよ同情の余地はない。

なにより、

「所詮外道だ、来い、太夫」

の言葉は「蘭兵衛」として極楽太夫に向けられたものじゃないかと思えば、なんて優しくて残酷な言葉なんだ。

蘭丸に還ってもそこだけ捨てずに(あるいは捨てられずに)残しておいた、蘭兵衛としての最後の縁。

外道のくせに。本当にずるくて悲しい男。

ただ何度も言うけど同情の余地はない。

歴代の蘭兵衛で1番ない。

 

それはそれとして

「だからお前は!」「小言は後だ!」

のやり取りで、やっぱり捨天蘭の中では長兄的な存在だったんだなーとも思いました。

何かと捨に小言をいうお兄ちゃん。

「心配させてすまない」と太夫に微笑むところなんて、圧倒的包容力。

太夫今だけそこ代わって状態。

 

って、こう考えだすと、蘭兵衛も結構な沼なんだけど(笑)

耕史くんは「新選組!」の頃から大好きな役者である為に、当初は

「蘭兵衛もいいけど、山本耕史の為に書かれた役で、新作で新感線デビュー観たかったなぁ」

とぼやいたものですが、

今回の蘭兵衛は、間違いなく山本耕史の為に書かれた役であった…。

と同時に、当初の予想通り、彼が天魔王役であったとしたら、どんな人物であっただろうと思わずにもいられない。

きっと怖い怖い、強くて黒い天魔王になっただろうなぁ!

 

 

★天魔王(成河)

観納めだというのに、気付いてしまった。

散々「狂気!狂気の天魔王!」と騒ぎながら、今更気付いてしまった。

 

あの天魔王、もしかして完璧に正気じゃないか…?って。

 

これまで、彼の狂気に重きを置いた観方しかしてこなかったので、そう思ってふと、彼の「正気」に焦点を置いてみたのです。

そしたら、それまで見てきた世界がひっくり返りそうな気がして。

慌ててやめました(笑)

ここでひっくり返ったら、是が非でもあと5回くらいは観に来たくてたまらなくなると思ったので。

まぁ結局のところ、残りの回全通したい程度には、禁断症状なんですけど!

 

最終的な成河天魔王の印象として、完璧な狂気の中で完璧に正気なんだと思いました。

そうじゃなきゃきっと出来ない、あの蘭兵衛に対する「口説き」は。

あの口説きのシーンめちゃくちゃ好きなんですけれど、特に好きなのは

「天
の為に俺を斬れ!」

と、仮面も刀もかなぐり捨てて、蘭兵衛に全身を晒してみせるところ。

それは、

「蘭丸兄者が、女の為に自分を斬って天から目を背けるなどあり得ない」

という自信と確信なのか

「彼をこちら側に引きずり込めないのならば、ここで蘭丸に斬られても悔いはない」

という覚悟なのか。

それとも全く私には理解できない感情の為か。

どちらにしても、狂気的でありながら強い意志を感じる、物凄い迫力でした。

思わず、天魔王へのおぞましさも、蘭兵衛に肩入れする気持ちも忘れて、その雰囲気に飲まれました。

あの、蘭兵衛に比べて小さな体が、圧倒的に大きく見えた。

 

そのシーンを観て、思いました。

普通の人間は、正気から少しづつ狂気に蝕まれていくものだと思いますが、

あの天魔王はきっと、最初から狂気しかなくって、その彼の狂気の中ではまるきりの正気を保ってるんだ。

だから頭おかしいけど、彼の中では筋が通ってるんだ。

これまで「90%の狂気と10%の正気」だと思っていましたが、

「100%の狂気と100%の正気」

だ、って。

なんだそれ、って感じでしょ。

でも、私の中のイメージは、もうそうなってしまった。

 

そしてそこに更に、これは最初から思っていたことですが、ある種の「純粋さ」もプラスされてしまう。

それが一番感じられたのが、不思議なことにやっぱり蘭兵衛が彼を庇うシーンでした。

私の目から見た天魔王は、蘭兵衛が自分を庇ったことに心から驚愕し、

(おそらく彼自身は天地がひっくり返っても「誰かを庇う」なんて真似はしなさそうだから、まるで自分の理解を超えたものを見る顔つきだった)

慕っていた兄が自分の為に命を捧げてくれたことに心から喜び、

やがて彼が死にゆくことと、もしかしたらその責任が自分にあることについて心から悲しみ、

そして踵を返し振り返った途端、そんなことはきっと全て忘れた

頭の中から蘭兵衛のことは完璧に消え去って、捨之介達にニヤと笑みを投げかける。

なんて男だ、と思いました。

 

多重人格かよ、ってくらい成河天魔王にはいろんな要素や可能性が詰まって溢れ出そうなんだけど、

その危うさやブレそのものがきっとそのまま、成河天魔王であり、観客が惹かれてしまう彼の魅力なんだと思います。

 

無界襲撃の際は、蘭兵衛と共にものすごく細かい芝居してるんだよなぁ。

荒武者隊がボロボロの体で必死で見得を切るとこなんて、まるで興味無しって感じだし。

おにぎりを一口かじって、ぺって吐き捨ててるし。

ああ、魔王には人間の食べ物は口に合わないのね、って素で思ったもん。

登場シーンで豊臣勢を蹴散らすとこも、そういえば、何かサイコキネシスみたいな技使ってたもんね…。

(何もしてないのに敵の忍びがもだえ苦しんだりしてた。

初っぱなから、人外の魔王感全開な、成河天だった)

 

カーテンコールでは、初見時には笑顔一切無し、客席を睨みつけるふてぶてしさで最後までキャラを保ってらっしゃいましたが、

今回は、みんなと一緒に拳突き上げてノリノリだったんだけど!?

2回目に出てきた時なんて、極楽太夫をエスコートしてたんだけど!?

どんどん中の人が出てきているようで、ニヤニヤが止まらないカーテンコールでした。

(天魔王の圧倒的おぞましさの前に忘れがちですが、中の人は全国ネットでプリンス井上芳雄にカンチョーしている姿が流れた御方である。)

 

カテコ前のエンドロール?で、ゆっくり立ち上がり「天」を見上げるのが少し切なくて、最後の最後まで魅入ってしまいました。

遂に天にはなれなかった人の男。

 

最初、成河さんは蘭兵衛だと思っていましたが…

その予想通りいったとしたら、どうだったでしょう。

きっと耽美さや哀しさ、弱さより、狂気の要素が強い、これまた新しい蘭兵衛像になったのではないでしょうか。

願わくは、そんな役に近くても、全然近くなくてもいいから、

とにかく成河さんには一刻も早く、また次の新感線ゲストを!!

 

 

★極楽太夫(りょう)

「りんどうよ、これからはそう呼んで」

彼女が自分の本名を名乗るのが、あれ程強い意味を持ち、

尚且つ忘れられない名シーンになるとは、この花髑髏までは予想だにしてませんでした。

過去作では、正直そこまで個人的に重要視していたエピソードでは無かったからです。

(勿論、それぞれのキャスト毎に極楽太夫と、そして兵庫の個性が現れる大事なシーンではありました。

どちらかというと、彼女の転んでもただでは起きない逞しさの表れのような)

 

これ、つまりは兵庫の直球ストレートなんだか、照れ故の変化球なのか分からないプロポーズへの、彼女のアンサー。

胸がぐっと詰まり、暖かく愛おしくなる、そんな意味が彼女の名乗りについた。

その巧さに改めて唸り、泣きました。

今までは、

「兵庫と極楽太夫、これからどうなるかな?!うまくいけばいいな!!」

と、心地よい余白を残す2人の結末でしたが、

りょう太夫に関してはしっかりその余白を埋めてくれたことに感謝したいです。

何せ、りょう太夫は逞しさよりも、悲恋や絶望の要素が強いように思えてしまった。

それは多分、山本蘭兵衛のせい。

余白を必要以上に残したまんまだと、あまり良い方向に想像が転がっていかない。

本当に、良い脚本だなぁ!としみじみ思います。

 

あと、髑髏城に乗り込む時の、青みがかった衣装が格好いい!

太夫の豪華絢爛な着物姿よりよっぽど似合うと思ってしまうのは、逆に極楽太夫という役が必ず持つ、力強さたくましさのおかげかな、と思います。

 

どちらかというとクールで格好いい印象が強いりょうさんだったので、この極楽像は少し意外だったけれど、

キャストのバランス込みでこんなにハマるなんて!

素晴らしい太夫をありがとうございました。

 

 

★抜かずの兵庫(青木崇高)

個人的には、でありますが、兵庫(orアオの忠馬)ほど、各ver.毎に印象がブレない役は他にない(笑)

それだけ初代じゅんさん兵庫が自分の中で強烈な為か、もしくは

「単純バカだけど漢気溢れた一本気な男」

という、分かりやすいが故に幅が持たせにくいキャラクターのせいかもしれない。

ただ、この役は相手役の極楽
夫との相性がとても重要であり、

かつ、(少なくともこれまでの脚本なら)悲壮感や冷静さがあまり出ちゃいけないな、てことは痛感しています。

 

で、そのあたりは青木兵庫、序盤から完璧だった!

りょう太夫との相性は、彼の特性と合わせて脚本変更のバッチリさもあったと思いますが、

悲壮感の無さがとにかく絶好調(笑)

何より、ご本人もパンフで語ってる通り、とっても愛くるしいよね青木兵庫。

体格の良さは歴代イチかと思いますが、キャラクターとのギャップが大きい分、愛くるしさも不思議と歴代トップクラス。

そんな兵庫だから、天蘭の襲撃に倒れた荒武者隊の皆を前にしての悲痛が辛くてたまらない。

「なんで何も言わねえんだよ?!」

の言い方が今までで一番泣けました。

 

舞台経験が決して豊富とは言えない中での、この超ロングランはめちゃくちゃ大変だったと部外者ながら想像してしまいますが、

本当に良い兵庫でした!

青木さんが兵庫役でなければ、果たしてここまでバランスの良い、私が大好きな花髑髏に仕上がっただろうかと思うと、

多分答えはNOです。

また新感線出てほしいなー!

 

 

★沙霧(清野菜名)

ぶっちぎりで今回驚かされたNO.1です。

もう、凄くない!?

この期に及んでアクションきれっきれだよ!

喉がお疲れ気味なのを帳消しにして大量のお釣りがくるよ!

(お疲れ気味とはいえ全然台詞は聞き取りやすい)

可愛いし演技も申し分ないし、可及的速やかに次のスケジュールを押さえて準劇団員入りを果たしていただきたいです(何の立場か)

三五ちゃんを庇って兵庫にくらわすのが、前半の飛び蹴りではなく回し蹴りになっていて、

それもまた綺麗に決まってるんだー。

 

小栗捨との並びも、本当ぴったり。

照れた時に、鼻の下を指でこするベタな仕草も、

頭ぽんぽんされて戸惑う表情も、可愛いったらない。

個人的には、太夫に「沙霧さん」と声をかけられて照れてるところが一番可愛いなー!!って思いました。

分かるよ、初対面なら、女性から見ても観入っちゃうくらい綺麗だもんね、極楽太夫。

勝手な想像だけれど、今まであまり若い同性と接する機会が少なかったのかなって。

熊木衆って、男性率高そうなイメージだし。

その後ずけずけと土足で上がり込むのはご愛敬(笑)

 

余談として、今「HIGH&LOW」という映画&ドラマシリーズに結構ハマっていて、

それは邦画にあるまじきド迫力アクションと、新感線ファンならついつい気に入っちゃいそうな頭の悪さ(←)がとにかく最高なんですが、

絶対この子を次回からキャスティングすべきだ!

って強く思いました。

ってこのブログで言ってもな。

 

 

★狸穴次郎衛門(近藤芳正)

この人のことがどんどん好きになるんですけど!(笑)

無界に入って、ひと目およしを観た途端、テンション上がっちゃってるのね、彼。

一目惚れだったのね、可愛い。

そんなおよしとの、極楽太夫の裸を見ようとしての攻防も好き。

「お尻が丸見えだよー!」

ってわざわざ兄さに言ってあげるのも可愛いし優しい。

 

一ヶ所、不意打ちで彼に泣かされたところがありまして。

最初の髑髏党襲撃で、狸穴の登場により一度は退けた後の、蘭兵衛への最初の挨拶と、その流れでの呼びかけ。

最初から、明らかに彼の正体に気付いている蘭兵衛に対して

「狸穴次郎衛門と申す」

とはっきり偽名を名乗り、

「無界屋蘭兵衛どの」

とこちらも偽りと知っているはずの名で呼びかける。

勿論正体を隠したほうが何かと都合良し、の意図も大きいでしょうが、

私は捨之介と同じ想いを、彼も持っていたのではないかとこれまで以上に強く感じました。

「お前が無界屋蘭兵衛である以上、あいつも狸穴次郎衛門」

捨之介のこの言葉を裏付けるものであり、家康もまた、新しい道を見つけた蘭兵衛の心でエールを送ってたんではないかな、と。

歴代でもピカイチに、人の良さを感じられる近ちゃん狸穴だからこそ、の印象かもしれません。

 

カテコでは古田さんと2人で並んでお辞儀なんだけれど、

古田さんに拍手を送りながら観客の拍手も煽りに来る仕草がとても好きでした。

あと、今回の観劇時では、家康が最後に退場する時にも拍手が起こっていて胸熱。

起こるよな~、あれは起こるよな~、近ちゃん狸穴、本当に良かったもんな~!!

狸親父と徳川家康、飄々とした中にも確かなギャップがある狸穴次郎右衛門、最高だった!

 

 

★贋鉄斎(古田新太)

もう、私程度の語彙力では説明できないこの方の凄さ!

 

これ500回くらい言ってるけれど、新感線の舞台でこの人に抗うことはできません。

どう頑張ったって視線泥棒されちゃう。

 

無界襲撃で、蘭兵衛が贋鉄斎に気付いて

「捨之介の策とはお前か」

というのが好きだなぁ、と今頃になってあのシーンの良さに気付いた。

贋鉄斎もまた、過去を知る男なんだねっていうのと、

その(恐らくは)重圧や闇を微塵も感じさせずに飄々と我が道を行くの、捨天蘭とはまた違った種類のたくましさ。

 

そんな魅力をあますところなく見せてくれる脚本であったと同時に、

どんなシリアスなシーンでも、必ず飛び道具的なキャラクターやアイテムでちゃかし、あるいは笑わせて来るの、

新感線を観てるな~って安心感とともに醍醐味を感じます(笑)

我を忘れて天魔王の鎧のまま暴れる捨之介、その緊張感あるシーンでさえ、

この人のおかげで力み過ぎずに観ることが出来ました。

沙霧にド突かれた時のリアクションと磁石ヤバイ。

 

絶対ハマると思ってたけれど、蓋を開けたら予想以上だった古ちん贋鉄斎。

そうは言ってもやはり、百人斬りは本気のやつで観たかった…

最終的にそんな思いを抱いてしまうのは、ここまで魅せてもらっておいて贅沢かもしれませんが、

ちょっとだけ我儘言わせて下さい。

最初は笑って「これもあり!」って思ったけれど、じわじわ惜しさが来た。

今回の百人斬りも、もちろん大好きなんだけれどね!

それは2025年の、髑髏イヤー&劇団45周年記念「バカドクロ」まで取っといてほしかった!

(最早私の中で、実行されることは確定し
いる案件)

 

今回観ながら一切「古田捨之介」の亡霊が私の中で浮かぶことはなく、

それは小栗捨の良さと共に、古田贋鉄斎があまりに存在感とインパクトばっちりであった証かな、とも思ったりしました。

比較しながらも、それぞれの良さを堪能した、本当に良い観劇が出来た!

 

 

 

三五ちゃんと礒平は、もしかしたら風でまた観られるかも…

という予想と期待のみを今回は書き残しておきます。

ただひたすら、最高でした!!!!!!

 

 

重箱の隅つつきになった感想だけれど、とにかく出会えてよかった花髑髏。

次の鳥髑髏が私の本命なはずなのに(笑)

髑髏イヤー怖いマジ怖い。

あと成河沼も怖い。

花髑髏はもう行けない代わりに「美女と野獣」をもう一度吹替で観よう(なにその妥協案)

 

 

あと、最後に、ラストシーンについて。

それまで曇りor雨、あるいは真っ暗な夜の闇ばかりだったのが、

雨がやみ、雲が晴れて太陽(もしかしたら夜明けの朝日)が差し、

河や人々に綺麗な光が反射する光景は、あの劇場独特のパノラマビューと共に本当に美しかった。

4時間近い上演時間の中で、初めて日の光を見たと同時に

「俺の上に覆いかぶさっていた天を~」

の台詞は、ど直球演出だけどグイッと心揺さぶられました。

 

そして一歩劇場の外に出れば

 

 

この明るさ!

前回観劇時は雨降りだったので、一歩劇場の外に出た友人の

「4Dか!」

発言に爆笑したものですが、今回もまた、マチネ後の綺麗に晴れ渡った空と太陽と関東荒野を劇場の外に観て、

「4Dか!(感涙)」

と心の中で思ったことを言い残して、花髑髏の一連の感想を(とりあえず)〆たいと思います。

 

ありがとう花髑髏、また月末に鳥髑髏。

 

エマを通販でらくらくお取りよせ

今日も…ドレミbabyのお迎えがありました~
渋滞にハマリ東京から3時間かけてお迎えに
来てくださったのは…去年からジョニーと
ドレミの子供をって予約していました
ご存知の方が多いと思いますが?
エマちゃんファミリー

ですよ。
生まれてからも何度も通いママをして…
やっとこの日が来ましたね~
エマちゃんに続いて…ありがたいことに2匹目も

わが家から迎えて頂いたホワイトくん…
今日から東京都民の
マロニーくん

なりました~
帰りも渋滞にハマったママさん…
車中で2度3度?リバースのマロニーくん
お疲れ様でした~
エマ姉さん、トイのミル兄さんと仲良く元気に
暮らすんだよ~
そして…残り1匹のドレミbaby
ブルーくん
6月1日生まれ…現在6.7キロ
オーナー様募集中です。

遠方の方は、お届け致しますので

ご相談くださいませ。
子犬のお問い合わせは…
お名前、お住まいの明記をお願い致します。

お急ぎの方は…080-1299-2939へ
よろしくお願いします。
では…また~
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